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2020.02.05

【イラストレーター・しまざきジョゼ】 この1年半は彼にとって新たなモラトリアム その期間に生み出した作品に誰もが不思議な優しさを感じた

 2018年6月、4年勤めたデザイン会社を辞め、彼は長い大人の夏休みに入った。日付が変わるまで追われるルーティン作業の日々に終止符を打ち、フリーのイラストレーターとして生きていく事を決めた。彼が「note」に綴る2018年の振り返りに、こう書いてあった。

「半無職の半イラストレーター」

 彼は新たなモラトリアム期間に入ったのだ。イラストレーターとして生きていくために。 冒頭に大人の夏休みに入ったと勝手に書いてしまったが、当初は多くのデザイン事務所や広告代理店に売込みをするが、あまり相手にされず苦労した毎日だったという。それでも多くの個展に足を運び、多くの人に会い、知見を広めるなど、決して時間を無駄にせず彼なりに、このモラトリアム期間を過ごしていった。そして、それが彼の作品の一部になった。

潮騒の待ち人

 しまざきジョゼさんの作品画風に関しては、泣きアンソロ『Cry Baby』プロジェクト主催の敷島豊かな肉氏が、こう紹介されている。

ざっくりとしたタッチで丁寧に画面を作るジョゼさんの絵は安心して見ることのできる優しさがあるのですが、ときに見る者の心を揺さぶるような強さも垣間見え、確かな底力を感じさせます。[敷島豊かな肉氏]

夏の忘れ形見

 敷島氏の言う通り、どの作品にも不思議と「優しさ」を感じるのである。そのルーツは何なのか、敢えて後ほどの質問でぶつけてみようと思うが、、、正直。本人としては答えづらいだろう。。。

 ただ、彼の思いを綴る「note」を辿ると、あくまで個人的にだが、少し理由がわかった気がした。とにかく文章が面白い。時に5000字を超える文量だとしても読めてしまう。そこには、読む人へ伝わりやすいような配慮と優しさが感じられるのだ。過去に彼は文集を出したようで、「ファンから再販を募られた」とネットラジオで語っていた。文才、学術的な要素も彼の作品には盛り込まれ、時に構図やコンセプトに直結しているのだと感じた。

屋根裏部屋は本の森

 そんな色々と気になる、しまざきジョゼさんも2月22日に開催する「Print A La Mode」に参加して頂く。この辺も含めいくつか質問をしてみようと思う。

Q1. まずは、本企画展に同意頂き本当に嬉しく思います。今回は作品展示の他に、アパレルに特化したアイテムをコラボでつくるなど少し変わった企画展になるかと 思いますが、いかがでしょうか?

こちらこそお誘いいただきありがとうございます。いままでも自分でTシャツのデザインなど挑戦したのですが、デザインを仕事にしていたとはいえやはり素人の作りだな…と悶々としていましたので渡りに船といった感じです。実際に現場でアパレルに関わっている方の意見やデザインを見ることができるのは貴重ですのでとても楽しみにしています。

Q2、ものすごく初歩的な質問で恐縮ですが、絵を描き始めたのはいつ頃でしょうか? そして、どの時期に絵の仕事に就こうと決めたのでしょうか?

恥ずかしい話なのですが子供の頃好きな女の子に送る手紙に絵を添えたかったからというのが 一番最初だったように思います…(笑) まともに作品を作ろうと思うようになったのは大学生、それも2年生になってからですね。名古屋の美大だったのですが3年生になりそろそろ就活だなーとなりまして、絵と並行してデザインの勉強もしていたのでぼんやりデザイン系で探していました。

大学を卒業しても自分が絵を仕事にできるとは微塵も思っていなかったのが正直なところです…(笑)

Q3. 現在の作風なるものは、いつ頃から定着したのですか?

作風には様々なものから影響を受けていますがイラストレーターの上杉忠弘さん、漫画家の佐原ミズさんから特に強い影響を受けています。あとは吉田博さんなど近代版画も色濃いように思います。いつ頃から、というと実はそんなに長くなくて今の方向性に行き着いたのはここ4年ほどでしょうか。

Q4. しまざきさんの「note」全部読みました。文章を書く事も好きという事など、非常に様々な知見を得られている印象がございます。そのような要素も作品に反映される事もあるのでしょうか?

恐縮です…。絵をやっていなかったら音楽をやっていただろうなと思うのでやっぱり音楽の存在は大きいですね。ガワはやはりかっこいいと思うQ3で上げたような作家の方々ですが絵に込める内面は本当に多岐に渡ります。特に初期のスガシカオさんは人格形成に影響を受けているくらいだと思うので大きいです。あとはネットでテキストをアップしている方の影響も強いように思います。 同じ今を生きている人の言葉が持つエネルギーは偉大な人々が残した言葉とはまた違った魅力があると考えています。

Q5. 敷島氏のコメントにもありましたが、しまざきさんの作品の多くに不思議な優しさを感じられます。これは私をはじめ、twitterでも同じようなコメントが見受けられます。このような意見は、しまざきさん自身はどのように捉えてらっしゃいますか?  

これは難しいですね…(笑

絵の受け取り方は自由だと思っていて悲しい絵だと思う人もいれば優しい絵だと思う人もいて、十人十色違って良いんじゃないかと思っています。生きていることは本質的には自由で、そして悲しみはいつもそばにあると考えていて、それらが見た人の中でそれぞれ違う音楽を奏でているのかなと思っています。

Q6. 半無職、半イラストレーターとしてスタートした2018年6月から約1年半経ちました。いかがでしょうか?

いろいろな方にお声がけいただいて様々なことに挑戦することが出来た1年半でした。至らないこともありご迷惑をおかけしてしまったこともありましたが、こんなに色濃い時間を過ごせたのは本当に10代の頃以来のように感じていて、今回の件も含め皆様には感謝の念が絶えません。

Q7. 最後にしまざきジョゼさんにとって「絵を描く」とは何でしょうか?

絵を描くことが楽しくて仕方ないタイプかというとそうでもなくて、1番の動機は人に喜んでもらうことだったりします。なので私にとって絵を描くことというのはプレゼントを選ぶようなことなのかもしれません。

※イベント詳細に関してはコチラ

しまざきジョゼ
1991年11月23日生まれ / 都内在住
名古屋芸術大学を卒業後デザイナー兼イラストレーターとしてデザイン事務所に4年勤務ののち退社。フリーランスのイラストレーターとして活動。
【制作環境】Photoshop CS5 / Illustrator CS5

・ note :https://note.com/shimazakijoze

・ Twitter :https://twitter.com/joze_phine_?s=20

・ pixiv :  https://www.pixiv.net/users/762663

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